プレッシャーよりも責任感。

• 時間は限られていました。
  私が担当した50代の内科医は、問い合わせいただいた時点で現職の退職が決まっており、3カ月後には職がなくなってしまうという状況でしたから。さらに転職理由を伺うと切実な悩みを抱えていました。B先生には未就学のお子さんがいて、まだしばらくは手がかかります。そして高齢のお父様には持病があり、介護が必要とのことでした。今の職場は忙しく、満足に子育てや介護をしてあげられないことから、定時で必ず終わり、家から近い場所を望んでいたのです。初めてB先生に会った時は、（本当に見つかるのかな）と非常に不安な表情を見せていました。しかし、不思議なことにプレッシャーは感じず、むしろ絶対に条件の合う医療機関を見つける、という責任感のようなものが日増しに大きくなっていきました。行き詰まる度に「もうあんな不安な表情になってもらいたくない。必ずB先生のキャリアプランを切り開く！」と気持ちを入れ直していた事を今も鮮明に憶えています。

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先入観を捨て、全ての可能性にかける。

• まずは、これまで取引のある医療機関に連絡を取りましたが、やはり「定時退勤」がネックになって、いい返事をいただけません。多くの医師が働いている病院という施設では、受け持ち患者の容体確認や様々な打ち合わせが就業時間外に行われる事が当たり前で、特別扱いできない、というのが大きな理由でした。
  そんな時に先輩に悩みを打ち明けると「（B先生が行っていた）内科診療に限らず、様々なキャリアを考えてみたら？」そうか、その手があった！確かに内科というと様々なイレギュラー対応を行わなくてはなりませんが、健診（健康診断）をメイン業務とする働き方であれば、QOLは充分保てます。
  また、他の先輩社員から「健診ニーズが高まる中、医師を増やしたいというＣ病院から採用依頼が届いている」という情報を共有してもらいました。
  すぐに面接を調整。直接会って話をした感触としては、Ｂ医師、Ｃ病院双方とも高評価でした。ただ、C病院はアカデミックで著名人も多く利用しており、患者サービスの質の高さに定評があります。B医師の力をしっかり見極めたいという申し出があり、3カ月のトライアル勤務を行った上で改めて所感を確認するという事になりました。その3カ月間の間、B医師、C病院それぞれにとって、このマッチングはベストな選択肢だったのか、自信が持てなくなった事もありました。

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• そこでも助けてくれたのは先輩社員。「あくまで決めるのは、求職者、医療機関。私達が不安になっても何も変わらない。この期間も考え付く限りの事を実行に移そう」そこで私は、トライアル期間中の双方の感触を随時、相手側に伝えるとともに、改めて自分なりにC病院就職時のメリット、デメリットを整理して、B医師に伝えていきました。また比較検討できるような転職先医療機関は他にないか、更なる情報収集に努めていき、やはりB医師にとってC病院を超える勤務先はないと確信を持つことができました。
  そして、最終的にC病院から、B医師へ高い評価が出てぜひ採用したい、という申し出がありました。
  さらに、B医師からもこれまで私がお伝えしていた情報から、納得の上就職したいと言っていただき、成約が決まりました。
  相談をいただいてからこれまでに連絡をとった医療機関の数は50超。
  “常に視野を広く”、後輩を指導する立場になった私は今でも心がけています。
  実はB医師採用時、C病院の採用担当者にもアンケート上でありがたい言葉をいただいていました。
  それは「医師紹介ビジネスに携わっている人って、医師側の要望ばかり一方的に伝えてくるケースが多いんですよね。その点、川端さんは当院の採用事情もしっかり理解した上で、中立の立場で進めてくれました。プロフェッショナルとしての意識を高く持っていて、若くても安心して任せられると感じましたね。」というもの。
  思えば、C病院の就業規則や加入保険の詳細確認など、先輩社員に教えてもらいながら進めていた対応が、採用担当者にとっては、「そこまでやってくれるのか！」と他社にはない強みとして感じていただいたようです。
  このマッチングが決め手になり、現在はC病院が採用面で困った際には、真っ先に当社に相談してもらえるくらい、良好な関係が構築できました。
  これからも転職を希望する医師、そしてそういった医師を求めている医療機関のために、
  全ての可能性をかけて、自分のできる限りの事をやり尽くしていきたいと思っています。

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